「うちの子も夏はサマーカットにした方が涼しいのかな?」——毎年、暑くなってくるとそう考える飼い主さんは多いと思います。私も愛犬を迎えたばかりの頃、同じように悩みました。でも調べていくうちに、サマーカットは「どの犬にもいい」わけではなく、犬種によっては逆効果になることもあると知り驚きました。この記事では、サマーカットに向く犬種・向かない犬種を網羅的にまとめ、なぜNGなのかの理由、それでもカットしたい場合の注意点まで、りくがわかりやすく解説します。
- サマーカットに向く犬種・向かない犬種の一覧表
- ダブルコート犬種にサマーカットがNGな理由
- 「毛刈り後脱毛症」のリスクと回復までの期間
- トリマーへの正しいオーダーの仕方
- シングルコート犬種(トイプードル・マルチーズ等)はサマーカットに向く。むしろお手入れが楽になる。
- ダブルコート犬種(柴犬・ゴールデンレトリバー等)は基本NG。アンダーコートを刈ると断熱・遮熱の役割を失い、逆に暑さや皮膚トラブルのリスクが上がる。
- 刈りすぎると「毛刈り後脱毛症」になり、毛が数ヶ月〜数年戻らないことがある。
- カットする場合は丸刈りでなく数mm残す・トリマーに相談するのが安全。
サマーカットとは?涼しくなる仕組み
サマーカットとは、夏の暑さ対策として被毛を短く刈るスタイルのことです。被毛が短くなることで地肌に風が通りやすくなり、涼しく感じやすくなるほか、お手入れのしやすさ、抜け毛掃除の負担軽減といったメリットもあります。老犬や皮膚疾患がある子では、シャンプーがしやすくなる・発疹などの異常に気づきやすくなるという利点も。ただし、これらのメリットは犬の被毛のタイプによって効果が正反対になることがあるため、注意が必要です。
犬の被毛は2種類。まずここを知っておこう
犬の被毛には大きく分けて「シングルコート」と「ダブルコート」の2種類があります。
- シングルコート:上毛(オーバーコート)のみの単層構造。毛が伸び続けるため、定期的なカットが必要。換毛期がなく、抜け毛は少なめ。
- ダブルコート:上毛と下毛(アンダーコート)の2層構造。アンダーコートは断熱・保温・防水の役割を持ち、一定の長さで伸びが止まる。春と秋に「換毛期」があり、大量の毛が抜け替わる。
この違いが、サマーカットの向き・不向きを決める最大のポイントです。
サマーカットに向いている犬種一覧

シングルコート(トリミング犬種)はサマーカットに向いています。代表的な犬種は次の通りです。
- トイプードル
- マルチーズ
- ヨークシャーテリア
- シーズー
- ミニチュアシュナウザー
- アメリカンコッカースパニエル
これらの犬種は元々ハサミやバリカンでの定期カットが前提の犬種なので、夏に短めのスタイルにすること自体は自然なお手入れの一環といえます。
サマーカットがNGな犬種一覧と、その理由

ダブルコート(グルーミング犬種)は基本的にサマーカットに向きません。代表的な犬種は次の通りです。
- 柴犬・秋田犬など和犬全般
- ポメラニアン
- ゴールデンレトリバー
- コーギー
- シベリアンハスキー・サモエド・アラスカンマラミュート
- シェルティ
- フレンチブルドッグ
- ロングコートチワワ・ダックスフンド・パピヨン
これらの犬種にサマーカットがすすめられない理由は主に3つです。
①アンダーコートは「断熱材」の役割
アンダーコートは暑さからも寒さからも体を守る断熱材のような役割を持っています。刈ってしまうと直射日光が地肌に届きやすくなり、かえって熱がこもりやすくなったり、日焼け・皮膚炎のリスクが上がったりすることがあります。
②毛刈り後脱毛症(クリッピング後アロペシア)のリスク
刈りすぎると毛周期が止まってしまい、毛が数ヶ月〜数年にわたって生えてこなくなることがあると報告されています。特にポメラニアンなどスピッツ系の犬種で多く見られ、通称「ポメハゲ」と呼ばれることもあります。原因ははっきり解明されていない部分もありますが、一度なると回復に時間がかかる点は知っておきたいポイントです。気になる脱毛や皮膚の異常がみられる場合は、自己判断せずかかりつけの動物病院に相談しましょう。
③虫刺され・冷房での冷えのリスク増
被毛は紫外線だけでなく、蚊やノミ・ダニなどの虫刺されからも皮膚を守っています。短くしすぎると、こうした虫刺されのリスクや、冷房による冷えのリスクも上がりやすくなります。
被毛には元々ちゃんと役割があります。ダブルコート犬種の場合は、カットよりもブラッシングでアンダーコートの余分な毛を抜く「サマーブロー」や、室温管理・散歩時間の工夫のほうが、体への負担が少ない暑さ対策になることが多いです。
全身でなく「部分カット」という選択肢
ダブルコート犬種でも、お腹まわりやお尻など、被毛が特に長く伸びやすい部分だけを短くする「部分カット(腹バリ)」であれば、全身の断熱機能を大きく損なわずに、多少の涼しさやお手入れのしやすさを得られることがあります。全身のサマーカットに抵抗がある場合は、まずはこうした部分的なカットをトリマーに相談してみるのも一つの方法です。
どうしてもカットしたいときの注意点
それでも「毛玉がひどい」「皮膚疾患のケアで短くする必要がある」など、事情があってカットする場合は、次の点に気をつけましょう。
- 丸刈りにせず、数mm残す:地肌が完全に見えるほど短くせず、最低でも数mm〜1cm程度は残すのが安全とされています。
- 自己判断でバリカンを使わない:毛玉や皮膚の状態によっては、無理に刈ると皮膚を傷つけることもあります。プロのトリマーに相談しましょう。
- 「サマーカットで」だけで頼まない:仕上がりのイメージが人によって違うため、「◯mm残してください」「お腹まわりだけ短く」など、具体的に伝えるとイメージのズレを防げます。
- 紫外線・虫刺され対策をセットで行う:カット後は犬用の日焼け止めや虫除け、部屋の温度管理も意識しましょう。
※あくまで私個人の経験で、すべての子に当てはまるとは限りません。
我が家でも、暑くなってくると「サマーカットにした方が楽なのでは」と考えたことがありました。でも調べてみると、うちの犬たちの毛質だとむしろメリットが少なく、こまめなブラッシングと室温管理の方が向いていると分かり、カットは見送りました。同じ「サマーカット」という言葉でも、犬種によって答えが正反対になるということを、このとき初めて実感しました。
まとめ:カットの前に、まず「うちの子の被毛タイプ」を知ろう
サマーカットは、シングルコート犬種にはお手入れの一環として自然な選択肢ですが、ダブルコート犬種には基本的におすすめできません。断熱・遮熱の役割を失うことで熱中症や皮膚トラブルのリスクが上がったり、毛刈り後脱毛症になったりすることがあるためです。カットするかどうか迷ったら、まずはうちの子の被毛タイプを確認し、トリマーや獣医師に相談するのが安心です。暑い夏を、愛犬が心地よく過ごせますように。
夏場のお手入れでは、カット以外にも消臭効果のあるケアグッズを取り入れると快適に過ごせます。
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