年齢を重ねた愛犬が、だんだんご飯を食べなくなってきた——。とても心配になりますよね。犬も年をとると、嗅覚や歯の衰えで食が細くなることがあります。でも、老犬が食べないのは、病気のサインのことも少なくありません。とくに高齢の子や持病のある子は、様子見を長引かせると危険なこともあります。この記事では、犬2匹と暮らす私が、食べなくなる理由、受診の目安、食べてもらう工夫、シニア犬向けフードの選び方までまとめます。少しでも気になるときは、自己判断せず早めに獣医師に相談してくださいね。
- 老犬が食べなくなる理由(老化・病気)
- 受診すべき目安(とても重要)
- 食べてもらう工夫とフードの選び方
- 認知症で食べないときの対応・介護段階の考え方
- 老犬が食べないのは、歯周病・腎臓病・心臓病など病気のサインのことも。元気・体重・他の症状をチェック。
- 完全に食べない状態が続く/丸1日食べず元気もない/水も飲まない・嘔吐下痢・ぐったりは、すぐ動物病院へ。
- 工夫は温める・ふやかす・トッピング(2割まで)・回数を増やす・食器を肩の高さに。
- フードは年齢に合った・やわらかい・香りの良い総合栄養食を。療法食は必ず獣医師の指示で。
- 認知症でうまく食べられないこともある(手から与える・声かけが有効)。
老犬が食べなくなる理由

食べない理由は、大きく「老化による生理的なもの」と「病気によるもの」に分かれます。
老化による変化
年齢とともに、嗅覚・味覚が鈍る、歯やあごの力が衰える、消化機能や運動量・代謝が落ちて必要なカロリー自体が減る、といった変化が起こります。元気があり、量が少しずつ減っているだけなら、後述の工夫で食べやすくしてあげましょう。
病気のサインかも
一方、老犬が食べない背景には病気が隠れていることもあります。よくあるのは、歯周病・口内炎(犬はとくに歯石・歯周病が多く、口臭やよだれ、食べたそうにするのに食べないのがサイン)、腎臓病・肝臓病・心臓病、消化器の病気、腫瘍など。元気がない・体重が減ってきた・他の症状があるときは、迷わず受診しましょう。
- 完全に食べない状態が続く/丸1日食べず元気もない
- 水も飲まない・嘔吐・下痢・ぐったり・呼吸が荒い
- 体重が目に見えて減ってきた
- 持病がある/すでに療法食を食べている子は、丸1日食べないのを待たず早めに受診を
よく「猫は1〜2日の絶食でも肝リピドーシス(脂肪肝)という命に関わる病気を起こしやすい」と言われます。犬は猫ほど絶食そのものが直接の原因になりにくいとされますが、高齢犬・持病のある子・子犬は危険度が高いので油断は禁物です。「そのうち食べるだろう」と待ちすぎず、気になるときは早めにかかりつけの獣医師に相談してください。
食べてもらう工夫

病気が原因でない(または治療と並行して)食欲を後押しするには、次の工夫が役立ちます。
- 人肌くらいに温める:香りが立って食欲を刺激します。※温めすぎに注意し、与える前に人肌まで冷ましてやけどを防いで。
- ぬるま湯・白湯でふやかす:やわらかくなり、水分も一緒にとれます。歯が弱い子にも。
- 高嗜好性のトッピング:ゆでたささみ、無塩のかつお節、馬肉のトッピングなどで香りと食いつきをアップ。トッピングは全体の2割までを目安に、玉ねぎ・ねぎ類など犬に有害な食材は避けて。
- 回数を増やして1回量を減らす:1日3〜4回に分け、胃腸の負担を軽く。
- 食器を肩の高さに:食器台を使い、少し下を向いて食べられる高さにすると、首や足腰が楽です。
- 手から与えてみる:飼い主さんとのふれあいで意欲が戻ることも。
シニア犬向けフードの選び方
フードを見直すのも有効です。選ぶときのポイントは次のとおり。
- 年齢に合った総合栄養食(シニア用・高齢犬用)。小型犬は7歳前後、大型犬は5〜6歳前後がシニアの目安。
- 良質な動物性タンパク質:原材料の最初が肉類のものを。筋肉維持のために大切です。
- 消化が良く、やわらかい:ウェット、ふやかし対応、小粒など食べやすいもの。
- 香りの良いもの:香り立ちが良いと食いつきやすい傾向。
- 関節・オメガ3配慮:グルコサミンやDHA・EPA配合だとシニアの体に優しい。
⚠️ 療法食は必ず獣医師の指示で:腎臓病用などの療法食は、自己判断で与えたりやめたりせず、必ず動物病院で相談してください。「シニア用フード」と「療法食」は別物です。
食器に高さをつけると首や足腰の負担が減り、シニア犬がうつむかず食べやすくなります。高さ調節や折りたたみができるタイプが便利です。下のボタンから楽天・Yahoo!・Amazonの価格を比べられます。
認知症で食べない・食べ方がおかしいとき
老犬では、認知症(脳の老化)で食べ物をうまく認識できず、食べないことがあります(逆に食べ過ぎることも)。夜鳴き・徘徊・昼夜逆転などが一緒に見られたら、認知症の可能性も。次のような工夫が役立ちます。
- 手から与える・声をかける:「ごはんだよ」と教えてあげる。
- 食器の位置を分かりやすく:いつも同じ場所に、ぶつからない動線で。
- 気になるときは動物病院に相談(DHA・EPAなどの食事面のアドバイスをもらえることも)。
介護が進んで自分で食べられないとき
寝たきりなどで自力で食べるのが難しくなったら、やわらかいフードをシリンジ(針なし注射器)で少しずつ与える方法もあります。ただし、むせ込み(誤嚥)の危険があるため、進め方は必ず獣医師に相談してください。無理に口をこじ開けて食べさせるのは避け、その子のペースに寄りそってあげましょう。
※あくまで私個人の経験で、すべての子に当てはまるとは限りません。食欲不振が続くときは必ず獣医師にご相談ください。
我が家の年長の子も、シニアになって食が細くなってきました。多頭飼いなので、食べない子だけ別の場所で落ち着いて食べさせるようにしています。効果を感じたのは「人肌に温める」と「いつものごはんに少しだけ高嗜好性のトッピング」。それと、食器を少し高くしたら、首をかがめずに食べられて食いつきが良くなりました。ただ、明らかに元気がない・続けて食べないときは工夫で粘らず、すぐ病院へ。「早めの受診が結局いちばん」だと痛感しています。
まとめ:工夫しつつ、迷ったら早めに受診を
老犬が食べないのは、老化による自然な変化のこともあれば、歯周病・腎臓病・心臓病などの病気のサインのこともあります。完全に食べない状態が続く・丸1日食べず元気がない・水も飲まない・嘔吐下痢・ぐったりがあるときは、すぐ動物病院へ。犬は猫ほど絶食が直接の原因になりにくいとされますが、高齢・持病のある子は油断できません。
病気でない場合は、温める・ふやかす・トッピング・回数・食器の高さといった工夫と、年齢に合ったやわらかく香りの良いフードで食べやすくしてあげましょう(療法食は必ず獣医師の指示で)。猫の食欲不振については別記事「シニア猫が食べない時のフードと工夫」もあわせてどうぞ。何より、少しでも「いつもと違う」と感じたら、自己判断せず早めにかかりつけの獣医師へ。大切な家族の、おだやかなシニア期を支えてあげてくださいね。
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